【特集0】編集後記:SOCIAL QUANTUMとは何か?

anow編集部


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今回の特集では、anowと同じく社会を担うために奮闘する“個”を支援する人や組織、コミュニティ、また彼らの存在の意義や定義を考える研究者へインタビューすることで、彼らの支援する社会に対して新たな変化を生み出す行動者=SOCIAL QUANTUMSとはどのような存在なのか、彼らが活躍していくための条件・要素、その先にある社会の姿をどのようにイメージしているのかを深堀り、anowが描く”個と社会の理想的な姿”の糸口を探ってきました。

今までは、会社や組織に勤め、それらを通して社会と関わっていた時代。
これからは、様々な所属を持ちながらも、“個”として社会と向き合っていく時代。

特集0 イントロ記事より

そもそも、このような特集を企画するに至ったのは、編集部の中でも「個という存在がこれまで以上に幅広く自由に思考し、社会に対して行動することが重要な時代である」という共通認識を持ちながらも、同時に「社会に新たな当たり前を生み出せる個とは、どのような存在で、どのような思想や特徴を持っているのか?」という問いに対して、編集部各人からさまざまな意見が出たことがきっかけでした。

そのような背景から、anowが実践したい「個の応援とより良い社会の当たり前の創出」をすでに多様な方法・ジャンルで実践している「個の支援者」たちにインタビューし、彼ら・彼女らの話から支援対象であるSOCIAL QUANTUMたちの特徴を覗き見てみようというのが、この企画の隠れた目的でもありました。

ですが、私たちの期待は良い意味で裏切られました。

それは、彼ら・彼女ら自身がSOCIAL QUANTUMのあるべき姿のいくつかの側面を体現しているように思えたからです。

SOCIAL QUANTUMの先駆としての支援

では、今回のインタビューから読み取れたSOCIAL QUANTUMに求められる特徴とはなんでしょうか?

まず最初に言及するべきは、「問いへの実践」という”行動を通じた変化”への欲求と熱量です。私たちの多くは、自分に対して不安や悩みを生み出すものを知っていても、自らの声と手をもって新たな扉を開けようと動き出すことに、なかなか踏み出すことができません。

そのような私たちの状況に対して、個への支援を行いたいという想いを持つ彼ら・彼女らは、問いを自覚するだけでなく、まず自らが行動的に問いに向かって動き出し、変化を起こしていく姿勢を見せることで、私たちへ「一歩を踏み出してみよう」と誘っているよう。

それは、自身が持つ問いを内だけに止めずに、社会に対して行動というかたちで「問いかける」ことによって、社会と対話しより良い方向性へと共に進んでいこうとするSOCIAL QUANTUMに求められる側面と言えるのではないでしょうか。

しかしそれと同時に、社会に存在するあまたの個が問いを持ち、実践的に行動していくことを礼賛するのは、同時に危険性を感じさせるものに思えるかもしれません。

ある個人の問いとその実践が、ある他者の悩みを増やしてしまう事態につながる可能性を、私たちは完全に否定することはできないからです。

その点に関して、インタビュアーが示してくれたのは、「常に自らの問いと行動を”絶対視”しない」という姿勢でした。

彼ら・彼女ら自身、自分のアイデアや実践を絶対的なもの=解答として扱わず、あくまで暫定的なもの=回答と考えており、かつ様々な問いとその回答が存在することを自覚している。

だからこそ、常に内省的な態度を自らに向けることで、行動の結果が社会へどのような影響を与えるのかについて見つめながら、そして自らも変化し続けながら、前へ進んでいこうとしているように思えます。

「行動による社会の変化」と「行動の結果への内省による自分自身の変化」。

SOCIAL QUANTUMの支援者として、いやもはやSOCIAL QUANTUMの一人として、この2つの変化を同時に示すことで、さまざまな個人が問いとその実践を社会に対して投げかけられる世の中を実現するための先駆的な存在として、彼ら・彼女らを描くことができるのではないかと思います。

そして、そこから見える社会のイメージとは、「個それぞれのあり方を体現しながら、それを緩やかに受け止め合っている社会の姿」という理想です。

相対性理論で知られる科学者アルベルト・アインシュタインも「ただ個人のみが思考することができ、だからこそ社会のために新たな価値の創出を行うことができる」という、個の働きが社会への価値の提供を可能にすることを説いています。

多様な個の行動と、そこから生まれる社会の多様な価値創出を率先して体現しようとするその姿に、これから生まれていくSOCIAL QUANTUMの一つのロールモデルをみたような気がします。

anow編集部

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